くこ〈Lycium〉くこの実のもつ特性に関して昔から良く知られているのは市湯の改善
である。これは15世紀以上も昔にすでに文献として残されている。現代にいたってようやくこの
特質を証明する科学的研究が発表された。この研究によると、くこの実は大量のβカロチンを(8mg/100g)含有するが、このβカ
ロチンは生物学的に非常に活発な形態をしているため、体内で即座に有効になる。
、くこの実が持つ栄養素はβカロチンだけでなく、アミノ酸も豊かに含んでいる。(18%から10%、この半分は遊離形態をと
っている)そのほかにビタミン類B1、B2、C、ニコチン酸など)、動物実験で
解毒及び免疫調整効果が認められている多糖類、その他の栄養素がある。様々な研究から、くこの実の人体への経口投与によって、
スーパーオキシドジムスターゼ(SOD)及びヘモグロビンの漿液レベルを上昇させるが、過酸化脂質
レベルを下げ、老衰の兆候を減少させるという免疫機能の改善が確認されている。この研究結果から多糖類は、くこの実の重要成
分となっていることが明らかである。つい25年前までアメリカの科学者は、多糖類は(澱粉や砂糖
などのような)単なる炭水化物であって、人体にエネルギーを供給するだけで他には何の働きもないと考えていた。彼らは自然界か
ら即効性のある薬剤を手軽に探し出すことに終始しているため、旧世界では当然のことである遅効性のものを
扱う術を知らず、また忍耐力も持ち合わせていなかったのである。多糖類の持つ新しい特質が日本、中国、ヨーロッパで次々に証明
されるに及んでアメリカンの科学者も注意の目を向け始めた。そして現在では特定の炭水化物(多頭類)は単に
エネルギーを供給するだけでなく、我々の健康に対して重要な役割を果たすことを認めるようになっている。くこの実について昔
から良く知られているもう一つの特質は、「顔の色つやを高め。美を維持する」ことであると文献に
残されていいる。また、不老長寿のの秘薬とも考えられている。合成薬の域を脱することができないアメリカの科学者にとって、
不老長寿など馬鹿げたことに違いない。しかし、「くこ」の実には、解毒、免疫力の強化、変異原生の抑制、
低血糖症、抗脂肪血症、抗低血圧、など数限りない効果があることは様々な研究から明らかにされており、これらの全てが老化の
過程をゆっくり歩ませ、長生きを助長するのである。もちろん、この中には初歩的な域を出ていない
研究もある。だからといって、ほかの研究結果をも否定すべきではない。医学や薬学の研究者がテレビ番組に登場し、「画期的な
進歩を遂げた」などと発表するのを見たことがあると思う。しかし、必ず「これらの成果はまだ初期段階であり
さらなる研究を必要とする」という前言を取り消すかのような言葉で締めくくっている。その研究者が再びテレビに登場すること
はまずない。現代医薬品の発見と、すでに周知の確立された特質と使用方法を証明する研究期間の違いは、前者
が動物への反応を人間に移しかえるという手法に立脚しているのに対し、後者はすでに十分に確認された人体への反応を根拠とし
ていることである。私はどちらにかけるかと言われれば、つねに後者である。
くこの実が持つ「美しくする性質」は科学的な根拠を有しているため、スキンケア化粧品として使用するだけの妥当性がある。
最近の研究によれば「くこ」の実には抗酸化作用だけでなく、マウスに投与したとところ皮膚のヒドロキシプロリン・
レベルを上昇させる力があることから、コラーゲンの合成を促進することがわかっている。これらの効果はすべて肌に良いもの
である。
種 別 | くこ属(ナス科) |
利用部位 | 熟果実 |
効能 | 「陰」強壮、視野の改善、顔の色つや、 肝臓と腎臓の栄養、精液補充、抗酸化 |
伝統的用途 | 虚弱体質、精力減退、背中と膝の痛み、耳鳴り めまい、糖尿病、視野のかすみ、咳、寝汗、性的不能 |
近代の用途 | 〔内用〕化学及び放射線治療の有毒副作用 〔外用〕火傷、潰瘍、床ずれ、凍傷、せつ |